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ピアノ修理


長年ほったらかしだったピアノ、久しぶりに弾きたくなりました。聞いていて具合が悪くなるまでには、音は狂っていなかったので、そのまましばらく弾いていましたが、最後に調律してから多分20年くらい経ってた。普段は誰もひかず、物置になっていたピアノ。居間のちょうどよい場所にあるので、財布にケータイ、リモコンやメガネに郵便物などなど。。。皆が気軽に物を置くのです。よくある話でございます。

そんなかわいそうだったピアノちゃんをレスキューしてあげよう!

さあどうするか。色々ネットで調査すると、ほったらかしになっているピアノは多く、開けてみるとえらいことになってるものも多いらしい。ネズミが住んでたとかね。修理となると、外へ運んで直してもらって何十万、とする場合もあるとか。それだったらちょっとな…と思いましたが、とりあえず調律してもらって、どんな手入れが必要なのか見ていただこう、と思いながらネットを徘徊していると、ピアノ調律.netというサイトを見つけました。Sout el Ward: ソートエルワルドの飯島千絵さんは、エジプトに14年住んでおられ調律師さんとして活躍されていたことや、エジプトから帰国後、実家からそう遠くない場所を拠点とされていることなど、共感する点が多かったので連絡させていただき、今回お世話になりました。

ピアノを開けてみると、やっぱり…フェルトの部品が虫にやられていました。衣類を食べる虫(イガ)です。小さいサナギの抜け殻が壁についてるの、見たことある人もいると思います。あれが一箇所にブワッと固まってついてました。でも虫の発生は終わっているみたいで生きているものはいませんでした。15年くらい前にパリから実家に送ったポストカード、錆びてほこりがこびりついたヘアピン、数年前のレシートなどの、物置にされてきた歴史が垣間見える年代物の落し物やら、湿気を含みすぎてもうこれ以上は食えないほど太った乾燥剤、たっぷり溜まったホコリも発掘されました。中の清掃もしていただきました。今思えば、作業していただいている横でウワアアアと見ているだけでなく、写真を撮っておけばよかったと。。。

いうわけで、修理のため2度目に来ていただいた際に、撮影。

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空っぽの珍しいお姿。内部を持ち帰って修理をしていただいたので、その間の10日ほど、あ、ピアノひこ!いや、空っぽだった、あ、ピアノ…イヤイヤ、だから空だし。。。という脳内コントみたいなのが自分の中で繰り広げられました。うずうず。

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取り外したカバー部分。うちのアップライトピアノは割と珍しいタイプで、譜面台が外についていて、アンティークっぽい外見、しかも小型。

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これが弦をたたいて音を出す、アクションという部分。今回の修理では、弦を叩き続けた結果、弦の後がくっきりとつき磨耗していた、ハンマーフェルトの形を整えてもらいました。これでこもっていた音がクリアになり、弾きやすくなるということでした。

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それから、鍵盤の裏についてるブッシングクロスという赤いフェルトの部分。虫食いが多かったので、これも張り替えてもらいました。

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鍵盤。いやーそれにしても、ピアノってこうやって分解できるんだ!知らなかったです。作業を見せてもらっていい経験になりました。

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直して綺麗にした鍵盤をはめてるとこ。そういえば、前は鍵盤の上に赤いほこりがついてたんだけど、あれは鍵盤の上に敷いてあったフェルトの布が古くなって繊維が落ちてるのかと思ってたけど、虫が食べたカスだったのかも、今思えば。

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ちゃんと番号がついてるのね。この右奥に見える、赤い丸いフェルトも虫食いが多かったので変えてもらいました。

こうしてみていると、ピアノって木でできているんだなあ、って改めて。そしてものすごい沢山の部品からできている。楽器なんだけど、直すのはもう数学的というかエンジニアみたいな世界のように見えました。大工さんとも言えるかもしれない。ミリ単位での調整、それがダイレクトに音に出てくるわけですから、典型的O型の適当人間(私)にはできない職業です。88もある鍵盤の一つ一つを直し調整していく果てしない作業。

終わった後は嬉しくて、子の世話も差し置いて3時間も弾き続けてしまいました。てかそもそも、娘が興味を持ち出して開けたピアノだったのに親がはまり直してしまったという。調律したすぐあとって、そういえば、自分が急に上手くなったような錯覚に陥って弾くのが楽しいんです。

当日はまだ良かったのですが、翌日から鍵盤が下がったままになってしまったり、弱音が出しにくかったり、連続で隣り合わせの音を弾きづらいなどの不具合が出てきましたが、部品を交換するとよくあることのようです。弾くほどに音が良くなるとのことで、フェルトをなじませる作業をしていると確かに少しずつ良くなってきました。音は明るくクリアになって、音量も上がったようです。

長年触っていなかったピアノ。もう私には弾けないと思っていたけど、「しばらく弾いてると戻ってくるよ」と同じくピアノをやっていた友達が前教えてくれたことがあったっけ。いやー私はもう無理だよー指も動かないし、ヘ音記号なんて譜面すら読めないかもww とか言っていましたが、本当!2〜3日弾いているとだいぶ感覚が戻ってきて、1ヶ月ほど経つ今では、楽しかったあの頃が甦ってきました。まだまだ指は動きませんが。それでも、昔習った曲は特に、ちょっとやるとすぐ戻ってくるのが嬉しくて、茶色くなったソナチネを引っ張りだして弾いてみたりしているところです。新しい曲にも挑戦しています。どこかで落ち着いたら、先生を探して、またピアノとの暮らしをしたいな。

2 thoughts on “ピアノ修理

  1. いつもとんちゃんさんのブログ楽しく見ています。
    私もアルゼンチンで出産して今は日本で暮らしています。先々月に我が家もピアノのクリーニングをしたので同じような気持ちになり嬉しくなりました。うちはカワイの黒いアップライトで高さが130cmもあり40年前のものです。おじいちゃんが仕事の付き合いで購入したもので貧しい暮らしだったのに買ったことを今年の正月に知って手放せないなと思ってピアノの引越しを決めました。15年位前に調律したのが最後で7年くらい空き家に置きっぱなしになっていました。少しカビてた部分もありました。引越しのついでにクリーニングしたので外側も、キレイにできますよーってゆわれたんですが小さい子もいるし予算オーバーだったのでペダルの研磨だけお願いして中はよい状態にしてもらいました。
    私もソナチネ弾いたりしていますよー時間を忘れてしまいますよねー1歳10ヶ月の子がいるのですぐどっかいってなかなかピアノに集中するってできませんが弾くと心落ち着きますよね。
    とんちゃんさんのピアノレトロでかっこいいですねー、小さい頃友達の家に遊びに行くとピアノ持ってる子多かった気がします。茶色いピアノ持っている人は初めて見ましたー!興奮!笑

    これからもとんちゃんさんのブログ楽しみにしてます。

    1. ちひろさん

      コメントありがとうございます!FC2の時も何度かコメントいただいていてますよね、嬉しいです。今は日本にお住まいなんですね。実は私たちも今、とりあえず幼稚園は日本で暮らしてみようか?という話にもなっています。同じような年頃の子育て、アルゼンチンから戻って日本での暮らし、また色々教えていただけたら嬉しいです!

      しかもちひろさんもちょうどピアノのクリーニングをされたところとのことで!^ ^ おじいさんの逸話、素敵ですね。昔のピアノっていろんな思い出や思いが詰まっているから、簡単には手放せませんよね。40年前くらいのピアノって、今のピアノにはもうないモノの良さがあると聞いたので、これからも大事にしたいですね。うちのはちひろさんのうちのものより少しだけ新しくて、1980年初頭くらいの製造だと思います。

      私も、外側のクリーニングは自分でやりました!これまた奇遇です!うちのも少し、手あかの後なのかカビている部分があって、「これって、普通の家具のクリーナーを使えば綺麗になるのかねえ?」と母に漏らしたところ、なんと35年くらい前のカワイピアノ用クリーナーを後生大事にとってあったのです!笑 恐る恐るそれを使ったところ見違えるように綺麗になりました。ペダルの研磨もついでに自分でやってみようと思ってます。

      私のご近所も、昔はピアノのあるうちが多かったです。本当一回ひきだすと時間忘れてしまいますね!クラシックの曲ってなんせ長いじゃないですか。だから、子供がいると一曲最後まで通しで弾けるとかあんまりできないですよね。笑 前は、楽譜がないと弾けない自分が退屈に思えて、くそージャズとかポピュラーをやっとけばよかった!って思ったこともあったけど、今になってクラシックピアノでよかったなあ、今もこうして弾けるしやっておいてよかった、やらせてくれた親、教えてくれた先生にも感謝しないとな、ってやっと思えてます。

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