サルデーニャ島で手打ちパスタの会:後編

前編の続きです。
ラグーをごくごく弱火でことこと煮込んでいる間に、タリアテッレという幅広のきしめんのようなパスタを打ちます。
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100グラムの強力粉に対して卵1個の分量。ちなみに”Farina di Grano Tenero tipo 0”という粉を使ってました。Conadというイタリアのスーパーチェーンの普通の小麦粉です。今日は600グラムの粉を使うので、卵は6つ。粉を山のようにして、土手を作り。
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あああああああこれええええええ!!!キタキタキターー!!!(興奮気味)
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土手の端からフォークを使って、少しずつ少しずつ粉と混ぜていきます。
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そしてこねこね。結構大変なおっとこ前な作業。イタリアでも料理のすっごい上手な人というのは料理人も然り、男性も多いそうなのですが、こんな力仕事でも基本パスタを打つのは女性の仕事だそうですよ。日本だとうどんを打つのは男の趣味的なイメージもありますよね。私だけでしょうか。
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だいぶまとまってきました。粉が完全にまとまって台が綺麗になるまでよくこねます。
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よくまとまったらボールをかぶせて1時間くらい放置しておきます。作り方の流れはうどんと全く一緒ですね。
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そんなわけでしばらく休憩です。昼下がり、同じ敷地内に住むシルビアさんのお父様とそこで働くフィリピン人の男性、お父様の妹さんなどが集まってきました。ここのワンちゃん、アミちゃんはなんと21歳!そんな犬初めて聞きました。長寿の島、サルデーニャでは犬まで長生きなのでしょうか。素晴らしいです。
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そんなこんなするうちにラグーがいい感じになったようなので火を止めます。水分がほとんど飛んでもったりした状態になっています。クリスティーナさんが味見をして確認。トマトの甘みが出てちゃんと酸味が抜けているかがポイント。塩を少々入れて味を調えます。トマトの味がすごく濃くて甘くて美味しい!この味知ってる。あれだ。良い意味で日本の缶詰のミートソースの味に近い。意外なところでびっくり。ってことは日本のミートソースってちゃんと再現してあるんだなあ。なんか缶詰、っていうとえ?て思うかもしれませんが、この手作りラグー、すっごく美味しいんですよ、念のため。
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さて小一時間ほど置いてあった生地を2つに分け、伸ばしていきます。ちなみにこのでーっかい台ですが、イタリア人はみんな持っているのかどうなのか聞いてみると、クリスティーナさん曰く、ボローニャのあたりでは一家に一台くらいの感じであるとかないとか。しょっちゅうパスタを打つの?と聞くと、一度にできる量も多いし、私は今では1年に4、5回友達に作ってあげるくらいねえとおっしゃっていましたが、さすが本場出身のクリスティーナさん、お見事な腕前です。周りでは、シルビアさんやお友達が、いろんなタイプのパスタを手で作って見せてくれました。中に詰め物をするタイプのパスタは手間がかかるので、女性が輪になってみんなで包むそうですよ。楽しそう!なんか餃子みたいだなあ。世界は繋がってるなあー。
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ちょっとずつちょっとずつ丁寧に丁寧に放射状に伸ばしていって、こーんなに薄くなります!!ステキ。私もやらせてもらいましたが、かなりコシのある生地でなかなか難しいです。うまくやらないとすぐによれてしまいます。自分でやってみると、クリスティーナさんがいかに上手かわかります。
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うすーく伸ばした生地は、ツルツルのスベスベで赤ちゃんのお肌みたいで気持ちいいんです。ネナたんも触らせてもらったの。
生地から少し水分が抜けるまで、テーブルクロスかなんかに挟んでおいてました。その間に残り半分の生地をまた伸ばす。そして準備のできた生地を折りたたんでいきます。
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はしから幅を合わせて切っていきます。完全にうどんですねこりゃ。面白いなあ。
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ある程度切ったらその都度、こうして両手で台に強めに打ち付けてほぐします。折りたたんだ線はここで消えます。
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丁寧にかつ手際よく、愛おしそうにパスタを作るクリスティーナさんと、それを見つめる我々。本当に美しい作業で、見ている我々も惚れ惚れするんですよ!大変な作業なのに、作っているクリスティーナさんはそんな顔も見せず、楽しそうでなんだか嬉しく幸せになります。
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できたばかりのパスタは本当にフォトジェニックで、思わずたくさん写真を撮りました。一山は一人分、最終的に12人前ほどが出来上がりました。他にも、うちの冷蔵庫にあったもので、アンティパスティを作ってくれました。
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ズッキーニのグリルで、モッツアレラチーズとアンチョビを包んだ”involtini di zucchine”
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セロリとモッツアレラ、ボッタルガをボッタルガの粉とオリーブオイルとコショウで和えたサラダ。
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そして今日のメイン、タリアテッレを茹でます。10リットルくらいは入りそうな大きなお鍋にお湯を沸かし、粗塩を手でザッザッとたっぷりめにいれます。イタリアには細かい塩、中くらいの粒の塩、大きな粒の塩とあり、シルビアさんにお借りしていたこのおうちにもツボに3種類の塩が置いてありました。大きな粒の塩はパスタを茹でる時などに使うそうです。お肉の塊を焼くときなんかにも。
沸騰したお湯にタリアテッレを入れて、再沸騰したらもう茹で上がり。生麺なのであっという間に茹だるのです。たくさんできたので、お隣のシルビアさんの弟さん家族にもお裾分けです。パスタが茹で上がったら、ラグーとパスタを混ぜ合わせ、上からも少しラグーをのせます。その上からエクストラバージンオリーブオイルをちょろっとまわしかけて、ついに出来上がり!
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写真ボケてしまいましたが、本当に美味しそう〜!!!いただきまーす!
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今まで食べたパスタの中で一番の、感激の美味しさでした。イタリア1ヶ月の滞在中、レストランでもラグーを何度も食べましたが、この時のクリスティーナさんのタリアテッレを超えるものには出会えませんでした。いやー本当に楽しかったし、おいしかった。チーズをかけてもかけなくてもおいしかった。お供には、アルゼンチンから義母が持ってきてくれた美味しいワインを!みなさんとっても気に入ってもらえました。
テーブルを囲んでいろんなおしゃべり。みなさん、好奇心旺盛で楽しく素敵な女性たちで、おしゃべりもとっても楽しかった。クリスティーナさんは、昨年日本に旅行で行ったそうで、その話や、アルゼンチンの話などいろんなことで盛り上がりました。パスタの話なんかも。いろいろ聞いてみると、やっぱり日本人のうどんやそば、麺類に対する感覚と本当に似ているなあと思いました。パスタはさっさと食べないと伸びる!とかそういう感じがね。だからパスタはプリモピアットで、さっさと食べられるように量も少なめなのかしら。
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食後は、シルビアさんオススメのお店で買ってきていただいた地元の美味しいジェラートを。こんな素晴らしい機会を作っていただいたホストのシルビアさんには本当に感謝。シルビアさんに会いに行くためにまたサルデニアに行きたい、気持ちのとても良いそんな人です。次に会うときは私の番、美味しいお寿司でも振舞いたいなあ。こんなに上手に作ってあげられるようにそれまでにもっと修行しなくちゃ。こういう素敵な人たちに出会うたびに、私も出会う旅人に優しい気持ちの輪を作っていけるようにできたらなあといつも思います。直接ではなくてもそれが恩返しになって、世の中は回っていくような気がするから。美味しいもの、美しいものを通じてまた会いたい人が増えていく幸せも、旅の醍醐味の一つです。